ロボットとは、経済産業省により「センサ、駆動系、知能・制御系の3つの技術要素を有する機械システム」と定義されています。
これには、産業用ロボットをはじめ、サービスロボットや身近になってきたお掃除ロボットなども含まれています。
近年では、デジタル化の進展やクラウド等のネットワーク基盤の充実やAI技術の進歩などを背景として、
固有の駆動を持たなくても独立した知能・制御系が現実世界の様々なヒトやモノにアクセスして駆動させる機構が出てきています。
更にIoTやデジタルツイン(DX)の世界が進化し多様な機能のロボット機能が提供できるようになると3つの技術要素だけでなく、
次世代のロボットとしての広がりが期待されています。
産業用ロボットとは「3軸以上の自由度があり、プログラムによって自動制御可能なマニピュレーション機能をもつ機械」 のことを指します。 難しく書いてありますが、3つ以上の複数の動く箇所がある(3次元的に動くことができる)機械と思っていただければ、 ほぼ合っています。
サービスロボットとは、手術支援ロボット、パワーアシスト、レスキューロボットのようなものや受付案内などをする
人型ロボットなどのことを指します。
産業用ロボットは人の作業を「代替」するのに対して、サービスロボットは人が行う作業や動作を「支援」するものになります。
近年注目を集めている協働ロボットは、人の作業を「代替」しつつ「支援」もしていると考えられるかもしれません。
産業用ロボットは、運転中の危険を防止するために柵(フェンス)などで囲って人から隔離しなければならないため、
人とロボットが一緒に作業することができません。そのため、産業用ロボットを導入するラインは人を介さないように
ライン全体を自動化する必要があり、コストの増大につながっています。
そこで、人と「共同作業」を行える協働ロボットの活躍の場が広がり始めています。
この協働ロボットは「ロボットメーカー、ロボットシステムインテグレータ、ユーザーが、国際標準化機構(ISO)の定める
産業用ロボットの規格に準じた措置(リスクアセスメント等)を講ずる」条件を満たすことにより、人から隔離する規制が緩和され、
人とロボットが同じ領域で作業をすることができます。
産業用ロボットの導入が進んでいるのは、ほとんどが大企業です。 これは、設置面積や導入コストの面から中小企業への導入がネックになっていました。 しかし、日本は高齢化社会による労働力人口の減少に加えて求人倍率の上昇 (中小企業:3倍以上=採用が難しい、大企業:1倍以下=比較的人が集まる)により、 特に中小企業では人手不足が深刻となっております。 そこで、人手不足の対策として産業用ロボットの活用が推進されています。
田口鉄工所では、このようなお困りごとに対して「中小製造業」であるノウハウを生かして相談に乗り、自動化を支援していきます。
産業用ロボットを導入すると、『何でもできて』簡単に生産性が上がり、すぐに楽になると思っている方が多くいらっしゃいます。
実は、ロボットは人間ほど器用ではありません。
例えば人が一連の作業として実現できる動作であっても、
ロボットは、いくつかの動作を連携させて極めて近い形で実現することになります。
人は潜在意識の中で無意識に動作に移すことができますが、ロボットは動作を細かく分割して
順序だてを設定しなければ人と同じ動作はできません。
その結果、人と同じ動作をさせようとすると、動作時間がかかり有効な使い方とは言えない状況になります。
上記のように、人と全く同じ動きができないことが分かると、
出来上がっているカイゼンに改善を重ねた製造工程や作業手順をそのままロボットに置き換えようとしてはいけません。
そのためには、工程やラインをゼロベースで構築し直すことにより、自社にとって有効なロボット導入が実現できます。
(もちろん、工程や作業によっては、単純に置き換えた方が良い場合もあります。)
ただし、製造工程や作業手順を構築したカイゼン手法は、ロボットに置き換えても同じことですので、
人とモノと設備の流れを阻害しないように配置することが前提となりますので、ロボットシステムを構築する場合でも、基本は同じです。
田口鉄工所では、このようなお困りごとに対して「中小製造業」であるノウハウを生かして相談に乗り、自動化を支援していきます。
「産業用ロボットとは」の項で、協働型ロボットを柵なしに導入するためには 「ロボットメーカー、ロボットシステムインテグレータ、ユーザーが、 国際標準化機構(ISO)の定める産業用ロボットの規格に準じた措置(リスクアセスメント等)を講ずる」条件を 満たすことと説明しました。 リスクアセスメントは、協働型ロボットのみならず、生産設備や産業用ロボットはもとより、 職場全体に関わる危険を回避するための手法となります。
リスクアセスメントは、職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減するため手法です。
従来の労働災害防止対策は、発生した労働災害の原因を調査し、類似災害の再発防止対策を確立し、
各職場に徹底していくという手法が基本でした。
しかし、災害が発生していない職場であっても潜在的な危険性や有害性は存在しており、
これが放置されると、いつかは労働災害が発生する可能性がありました。
技術の進展等により、多種多様な機械設備や化学物質等が生産現場で用いられるようになり、
その危険性や有害性が多様化してきました。
↓
これからの安全衛生対策は、自主的に職場の潜在的な危険性や有害性を見つけ出し、
事前に的確な対策を講ずることが不可欠であり、これに応えたのが職場のリスクアセスメントです。
田口鉄工所では、このようなお困りごとに対して「中小製造業」であるノウハウを生かして相談に乗り、自動化を支援していきます。